梅雨入りしてからの東京は蒸し蒸しとして、いちばんよい季節は過ぎてしまったと実感します。桑の木にはたくさんの実がなり、野鳥や昆虫、そして人間が分け合っています。
下の写真は完熟する手前の赤い桑の実。ここからさらに熟して紫を煮詰めたような色になります。熟した実は、早い者勝ちで誰かの口へ運ばれてしまいますので、写真の中には残りません。
手に色が付くほど熟した桑の実には、青果店で売られる果物とは異なる野生の酸味があって、わたしは好きな味です。
桑の実を少しばかり摘んでいただく際には、よく水で洗ってから、いったん冷凍庫で冷凍し、暑い季節に、凍ったまま口に入れてしまいます。
桑の木の洞で育てられた今年生まれのシジュウカラの雛たちは、すでに幼鳥となって巣立ったようです。無事に大きく育って、また帰ってこられますように。
すでに夏の日差しになって、日向と日陰の明暗の差が大きくなりました。木陰の足元に咲く、小さなドクダミの花びらが、わずかな木漏れ日を跳ね返しています。