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名月と竹林、煤竹茶巾筒

 中秋の名月があらわれるはずの日です。曇りがちの空模様ですが、拝むことができるでしょうか。写真は煤竹茶巾筒、拭き漆仕上げです。


『煤竹拭漆茶巾筒』竹工芸家 初田 徹 作
『煤竹拭漆茶巾筒』初田 徹 作

 淡い陽光を受けた円形の断面が、満月のようにうっすらと白い光を帯びています。


『煤竹拭漆茶巾筒』竹工芸家 初田 徹 作
『煤竹拭漆茶巾筒』初田 徹 作

 竹林に満月の光が差すとき、円い切り株の白い照り返しを目にした古の人々は、遠くにある月と身近な竹とを、結びつけて考えずにはいられなかったでしょう。