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再発見の煤竹花入

 

 こんばんは。クリスマスを過ぎ、年内の残りは5日となりました。非日常の一年を経て、年末感に乏しい2020年末です。

 

 片付けの際に見つけた煤竹。側面に大きな割れがあるため、当初は仕事に使うには難しいと考えて、ひとまず別に保管しておいたものです。数年ぶりに対面すると、むしろ得難い佇まいに見えてきました。


煤竹掛花入(仮の姿)
煤竹掛花入(仮の姿)

 手近の縄を煤竹に巻いて、ひととき花入として楽しみました。竹の花入は、もともと直に水を入れることができないので、割れていても実は支障がないことも幸い。

 

 花入の口元から1/3ほどの高さのところが、ほんのりと明るい色味になっているのは、かつて古民家の屋根を支えていた時に縄の巻いてあった痕跡です。縄の下は囲炉裏の煙が当たらないため、色味に変化が生まれます。背面も同様。

 

 そうした竹の歴史もふまえつつ、掛け花入として使うために縄を巻きましたが、花を入れてみると少々縄の色が目につくようです。新しい年を迎えてのち、割れの手当も考えながら、改めて花入として形にしたいと思います。


煤竹掛花入(仮の姿)の口元に
煤竹掛花入(仮の姿)の口元に

 菊の花の、深い緑と紅とは日本的な色合いにも見えますし、期せずして遅れてきたクリスマスのような色どりになりました。もういくつ寝るとお正月。来年はよい年になりますように。