小さな寸法の茶杓。これを私は旅茶杓と呼称しています。
もともと茶箱に組むために削っていました。やがてもう少し広く、茶箱でなくとも旅に携える小さな茶杓として削るように。
そして案外、どこへも出かけず室内で茶を喫するにも具合の良い道具で、昨今の世においては、体は此処においたまま、心だけを何処かへ旅させるための旅券にも思えてきます。
あるいは本当のところ、そんな空想をする作り手の私自身こそが、削りながらに旅するための道具なのかもしれません。
2月の下旬頃、小さなオンライン展を此処で行います。