個展"Ground"を終えてしばし、季節は黙々と前進しています。
小さな竹林では、たけのこが次々に頭を出しては私の背丈を追い越してゆきます。
ほとんどの樹木よりもずっと速く成長し成熟をする竹ですが、そのスピードと引き換えに地上の一本ずつの稈(ふだん目にする竹林の青竹の部分)の寿命はとても短いものです。
3~4年で引き締まった質となったのち、竹の稈は徐々に老化して色を失い、やがて白く立ち枯れます。手入れのなされなくなった竹林が荒れた竹やぶと化すように、人との関わりの欠かせない植物です。
絶えず適切に手入れをした竹林で、適切な時期に人間が伐りだして、適切な加工を施すことで、竹は材としての長寿を得ます。
林の足下には光が差して、白く咲いたシャガが浮かび上がっています。武蔵野の春はあっという間に過ぎて、じきに早い夏がやってきます。