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竹籠を編む。平面から立体へ

 

 前回つくった竹ひごを籠に編みます。

 

 竹籠を編むときに、立体的な籠であれ平面的な籠であれ、多くの場合にそのはじまりは平面からです。縦に並べた竹ひごに、横方向に一本ずつ竹ひごを差し込んでゆきます。


一本一本の竹ひごから平面の籠へ|竹工芸家 初田 徹
一本一本の竹ひごから平面の籠へ

 網代編みの平面。

 

 すくって、おさえて、つめて。

 

 繰り返しの作業は、異なる素材を用いた他の仕事に共通する部分があり、たとえば糸から布を織る工程にも似ています。

 

 植物の繊維を取り出して加工し、それを密に編んで面をつくる仕事は、長い歴史の中で進化している部分もありますが、一人の仕事、連綿と受け継がれる仕事、それら延々と反復する営みのなかに原始の記憶を色濃く残しているようにおもいます。

 


平面の竹籠から立体の竹籠へ|竹工芸家 初田 徹
平面の竹籠から立体の竹籠へ

 

 円筒形の太い竹を割り、線状の細い竹ひごへ。線を集めて平面をつくり、面からまた立体へ。

 

 これらの工程を手作業でおこない、竹は国内産の自然素材、全行程が作家自身の一貫作業によるMade in Japan.

 

 自分自身ではそのことに大きな価値をみずから置かないように、あえてしているというか、普段は意識することもなく当たり前につづけていますが、ふと周囲を見渡せばそうした仕事は当たり前のものではなくなってきました。

 

 もし他の分野で同じような工程を選択してものづくりをした場合には、どういったことのなるだろうか……などと、ときどき思い出したように考えることがあります。

 

 まずは健康が大事です。