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網代編みの竹籠、一回目の拭き漆まで

 

 新緑の頃から始まる展示へ向けた作品のひとつ、網代編みの竹籠の完成間近の様子をお伝えします。お茶の道具を収めるのに、ちょうどよい大きさの籠です。

 

 網代編みで編み上げた籠に、火熱で竹を曲げてつくった縁を結びつけ、籠の形になったのが一枚目の写真です。角張った印象にならないよう、丸みを帯びた形に編んでおり、底の部分は少し膨らんだ姿です。この後、他の部材で外側を装甲し補強とともに安定性を確保します。


網代編みの竹籠に縁を結びつけたところまで|竹工芸家 初田徹
網代編みの竹籠に縁を結びつけたところまで

網代編みの竹籠、一回目の拭き漆まで|竹工芸家 初田徹
網代編みの竹籠、一回目の拭き漆まで

 籠を暗褐色に染め、さらに拭き漆で仕上げることで、深い色味と艶が出ます。光りすぎないようにマットな仕上げにして、編み目の陰影を引き立たせ、時代を経た籠のような風合いに仕上げています。厚めの竹ひごを用いることで、がっちりとした手応えの、立体感のある籠になります。

 

 ここから、籠の外側に装甲を施し、ふたたび漆で仕上げます。さらに内側に和紙と裂を貼ります。ゴールデンウィークに行う展示に出品する予定です。


春分の桜
春分の桜

 本日は春分の日、東京では昨日3月20日に桜の開花宣言がありました。東京郊外でもチラホラと咲き始め、明るくなってきた景色と裏腹に気温は下がって花冷えです。

 

 春からの展示は久しぶりの機会です。無事に開催できるよう願っています。