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22年と竹工芸

 

 2002年の5月のある日に竹工芸の道を歩みはじめて、先日で丸22年になりました。

 

 年々すこしずつ仕事のありかたは変化しつつも、本質的なところは大きく変わることはなく、見ようによっては同じ場所をグルグルと旋回するばかりで、進歩がないようにも思えます。


煤竹旅茶杓 初田徹 作、小服茶碗 森本仁 作

煤竹旅茶杓 初田 徹 作、小服茶碗 森本 仁 作

 そうした旋回の繰り返しも願わくば緩やかな螺旋を描いて、徐々に徐々に上昇をしているのだと、そう前向きに捉えて、ぐるりぐるりの歩みをつづけます。


煤竹旅茶杓 初田 徹 作、小服茶碗 森本 仁 作

煤竹旅茶杓 初田 徹 作、小服茶碗 森本 仁 作

 二十年前、十年前、一年前、そして今日から明日から、旋回を見守り、またお支えくださる皆様に御礼申し上げます。


煤竹旅茶杓 初田 徹 作、小服茶碗 森本 仁 作

 

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 写真のみじかい茶杓は拙作の煤竹旅茶杓。本日のお茶の時間に試用しました。控えめな濃淡が美しい竹で、抹茶の汲み心地も上々です。近いうちにいずれかの取扱店でご覧いただけると思います。

 

 茶碗は森本仁さんの小服茶碗です。一昨年に名古屋のAnalogue Lifeで二人展をご一緒させていただいたのちに同店で求めた品です。

 

 お菓子はHIGASHIYA 八雲茶寮で求めた木の実菓子です。梅雨の気配を感じはじめて、やや重くなった体を薄荷が爽やかに覚醒させてくれます。

 

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 ひと月ほど更新が滞りましたが、私は元気に制作中です。ただいまは常設の充実を目標に、夏のあいだしばらくは常設の納品のための制作に注力します。

 

 お近くのお店でご覧くださいましたら幸いです。