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花の籠のための竹ひごをつくる

 

 日本列島につぎつぎと寒波がやってきます。皆さまご無事でしょうか。

 

 きょうは花籠を編むための竹ひごをつくりました際の写真を掲載します。


仕上がった竹ひご。これを編んでゆくと籠になります。
仕上がった竹ひご。これを編んでゆくと籠になります。

割る前の白竹と仕上がった竹ひご
割る前の白竹と仕上がった竹ひご

 2枚目の写真に写っているような太い竹から、細い竹ひごをつくります。

 

 黄身がかった色味の美しい白竹の表皮を、湾曲した刃物で繊維に沿って丁寧に削り落とし(これを「磨く」と称します)、大きな鉈を用いて竹を縦半分に割ります。

 

 節の部分も削りますが、削りすぎると折れやすくなりますので、元々の竹の節の山並が残るほどの姿に削ります。

 

 そこから順次、細かに割っては薄く剥ぐ、この工程を繰り返して大まかな形をつくります。(いきなり写真のように細く薄くはできませんので、1/2、1/4、1/8と進めるイメージです)

 

 そののち、最終的に求める寸法の竹ひごになるように、小さな刃物で所定の幅と厚みに揃えます。厚みについては複数回に分けて作業します。



 節の表だけでなく裏側も削ります。

 

 茶杓も節裏の削りが重要ですが、竹籠を編むための竹ひごでもそれは同じです。やはりここも削り過ぎず残し過ぎず。

 

 面取りも施します。竹ひごの表面の両側面を僅かに削って、カマボコ状の断面をつくります。2枚目の写真でも雰囲気が伝わりますでしょうか。

 

 太い円筒状の竹をこのように細く割っているとは思われないお客様も少なからずいらっしゃいます。私も初めは想像もできませんでした。

 

 この籠は暗褐色に仕上げたいので、竹ひごを染めています。編む前に染めることもあれば、編んだあとに染めることもあり、前後に複数回染めることもあります。目的に応じてやりかたを変えます。

 

 編みあげた籠に漆などの顔料で仕上げをほどこすとまた少し色が変わります。



 人の手でほどこす変化と、さらに時間が付け加える変化があります。

 

 百年二百年経ったあとの姿を自分で見ることはできませんが、よい姿になることを願いながら、はじまりの一歩を一本ずつに踏みしめます。